木造在来工法
木造在来工法の最大の利点は、増築や改造が簡単で家族の変化に対応できることだ。プレハブやツーバイフォー工法ではこの点がネックで、対応できても予想以上にコストがかかったりする。
鉄骨造も増築には向いていないし、鉄筋コンクリート造は、一体構造として建てられているので、やはり増築は困難だ。
この家庭状況の変化に合わせてリフォームできる木造在来工法は、人の住まいとして優れた建築といえるね。
木造では、自然材である無垢の木を使うと、その良さが増幅される。優れた断熱性、触れても鉄のように冷たくなく暖かいし、湿気の調節をしてくれるので結露が発生しにくい。
最近の家では室内の仕上材にビニールクロスを使うのが主流になっているが、これではせっかくの木の持つ湿気の調節作用を減殺してしまうのでもったいないことだ。
また、木は鉄やコンクリートに比べて、単位重量当りの強度が大きく、圧縮力ではコンクリートの倍の強度がある。ただ、木は火に弱いと見られているよね。でも必ずしもそうとはいえないんだ。太い木は表面が燃えても芯まで火が通りにくいのだ。また、燃えても石油建材のように有毒ガスを発生しないしね。
木造での注意点は湿気に関することだ。本来木は、乾燥状態を保てば数百年持つといわれている。だが、雨ざらしにしたり、湿気を多く含んだ状態にすると、シロアリにやられたり、腐ったりしてしまう。
それから、床下の通気である。家の構造体の通気を考慮することが重要だ。それと同時に日本の気候風土に合った、良質の木材を使うことも大切だね。
鉄骨造
鉄骨造には、重量鉄骨造と軽量鉄骨造があります。重量鉄骨はビルなどの大規模な建築に使われるものだ。個人の住宅に用いられるのは、鉄骨の厚みが3〜5ミリと薄い軽量鉄骨プレハブ住宅が一般的だ。
重量鉄骨造では少ない柱で大きい空間を可能にするので、高層建築にも向いているね。柱や梁が大きいため、部屋の隅や天井に突出部が出来、部屋の使い方に不便を生じる。コストの面でも割高なので、個人の住宅には利用しにくい建築工法だ。
鉄骨造を個人の住宅に用いるとなると、次のような問題点があげられるね。まず軽量鉄骨では音が響くことだ。鉄が音を吸収せず、反射させるためだ。木造の場合だと、木が適当に吸収してくれる。
また軽量鉄骨プレハブ住宅は工事の合理化のため、外壁に軽い空気を含んだコンクリート版(ALC板と呼ばれる)やサイディングパネルを使用するので、遮音性に劣る。
鉄そのものは高い強度を持った材料だけど、軽量鉄骨住宅で利用される部材は薄くて細いのが気になるんだよね。熱伝導率も大きいので壁内結露が懸念される。また建物そのものの振動音も伝わりやすい。
鉄は火災時の高熱に弱く、熱でアメのように曲がってしまうよ。決して火事に強いとはいえないね。
このように鉄骨の建物は、超高層建築や倉庫、仮設住宅には向いているけど、個人住宅に適しているとはいい難いね。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造といえば、まず火災に強いというのが頭に浮かぶでしょうが。いわゆる、耐火性能が優れていることだ。火事になると骨組みは崩壊しないで残る。その点がマンションやオフィスビル、公共の建物など、大勢の人々が集まる大規模建築に適しているね。
鉄筋コンクリート造は耐火性の優れていることが、外部からの延焼に対して威力を発揮するんだ。でも内部は造作が完全に燃えてしまうことがあるだよね。
鉄筋コンクリート造の次の利点は、遮音性が高いことだ。交通騒音の激しい地域の住まいや音楽室などには適している。
これらの優れた性能を有する鉄筋コンクリート造だけど、個人の住宅に利用するとなると、色々と欠点が出てくるんだ。一番の問題点は湿気が多いことだ。壁の中のコンクリートが完全に乾くのに数年要するといわれる。その間湿気を放出し続けるわけだ。
またコンクリートの熱伝導率は、木の約10倍も高いので、熱をどんどん逃がす。冬はこのため冷え込み、壁面の温度が下がるので結露を生じ、壁を腐らせてしまう。
さらにコンクリートは熱容量が大きく、熱量をたくさん取り込む。そのため夏になると屋根に面した部屋や西日の当たる部屋は、夜になっても温度が下がらず、大変暑いわけだ。それに、鉄筋コンクリート造はコストの面でも高くつく。
このように見てくると、鉄筋コンクリート造の家は健康には不向きで、特にお年寄りにはお勧めできません。コンクリートは、特定の目的を持って建てる場合意外は、住まいとして利用するには不適当な素材といわざるをえませんね。